東の黒

日が沈むのが早くなったから
寄り道しないいい子になった
日が沈むのが早くなったから
焼かれた肌が剥がれていった
東の空が黒くなったと思えば
駅のホームで寒さに震えだす
冬は考えごとが多くなる時期
寒さは人を黙らせる
明日も寒い
今夜は何を考える

セピア

娘が出て行き、孫も来なくなり
変わらないことなどない、むしろ変わらなければならない
歳をとり、幸せな思い出に思いを馳せ
変わらないものなどいない、むしろ変わるしかない
今は今しかなくて、無駄な時などなくて
前を見るしかない、むしろ目は前以外についていない

once in a

なんだったんだろうね
いっときの感情に押し流されて
すぐに変な方向に急発進しちゃうの
いつも、いっぱいいっぱいだよねと僕は言う
きっと生きている限り、いっぱいいっぱいなのだと
人間は一生かけても脳の1%ですら使うことができないのよね?
なのに私の頭は、常に満たされているの
でも、それは、きっと、幸福なことだと

変換

すきだった子に告白されて彼は泣いた
酷く悲しんだ
ずっと続くと思っていた友情
急遽迫られた恋愛への変換
彼は突然の糸のほつれに戸惑うだけ
今から修繕してもそれは恋愛になってしまう
彼の予想通り、二人の繋がりはほつれた後すぐ、切れた

下町を出られない娘

その娘、上京してすぐ下町に住む
その娘、すっかり下町に馴染む
娘は言う
やっぱ、下町から出られんのよね
仲の良い友達はみんなもっと栄えたところに住んでいる
唯一、おんなじ方面に住んでいる男友達ももうすぐそちらへ引っ越してしまう
娘は少々、そいつが好きだったんだと思う
それでも言う
やっぱ、下町から出られんのよね
涙ぐみながら言うそれは
説得力の欠片もなかった

典型的B型女

単独行動を好み
個性があることを良しと見て
正直者で 自己中心的で
執着心が強くて 行動力があって
潔癖症で みんなと違うものが好きで
楽しくないことは嫌で
悪気なく毒を吐く

友達の旬

「最近良く遊ぶ友達」がころころかわるのが嫌
結局ぜんぶ自分のせいだけど
変に遠慮や勘違いをしちゃって
自ら離れていっちゃって

被写体に恋して

どんどん変わる
ものすごい速さで自分が変わっていく
よって自分の周りの環境もどんどん変わって
みんなの間で自分が行ったり来たり
とりあえずは
自分の気持ちの様子見で

悪あがき

夏ってこんなに暑かったっけ
でもいざ家を出たらいつもどおり
不良みたく夜中まで遊んで
この歳になって青春してる

理想論

去年は結局花火もプールも行けなかった気がするので
今年こそはたくさん、な?
終わりの3分くらいだけだったけど
まず花火は制覇したな

生涯学習

一番厄介な人間は
男になりきれない男と、女になりきれない女
男になりきれない女と、女になりきれない男
一般常識が通じない一番面倒なやつ

今が一番

自分史上最高のゴールデンウィークを過ごした
今までゴールデンウィークなんてあったっけ
数ヶ月前に田舎に帰った時近所のおばさんが言った
「今が一番楽しい時期でしょ?」
あの時は首を横に振った
今は首が千切れるほどに前に振れる

空気感

明日もまた早起きなのに夜更かししてる
写真眺めてるとすぐに時間が経つ
最近はやりの田舎暮らし
田舎育ちで自然好きなんだし田舎に家欲しいんだろとか思ったかよ
思わないことはないけど都会から離れたくないんだな
天体観測する用の別荘とか山ん中にあったら面白そうだけど
それ普通にキャンプ場でいいやん
写真は朝5時の荒川
3時の新聞屋さんで起きてそのノリで朝日を見に行った
朝っぱらなのに普通に人多くて
すっぴんだったから精神やられて日が昇ったらすぐ退散した

ミステリーワールド埼玉

深夜の誰もいない寺に一人
どしゃぶり夕暮れの誰もいない湖に一人
真夜中の誰もいない森に一人
金曜日給料もらって帰って着替えて即埼玉へそして二泊三日
金を気にせずバンバン電車に乗った絶好調の週末でした
ぼっち行動スキルとぼっちサバイバルスキルが上がりました
ぼっちって身が軽くていいねサイコーだね
思い立ったらサッと行動できる
あっさっきの道行きたい、とか
このまま電車乗ってたらどんなとこいくんだろとか
でもやっぱ真っ暗の墓地とかは怖かったし
人ごみでカメラ充するのは恥ずかしいから
以心伝心できる相棒が欲しいきょうこのごろ

ネタバレ

人は成長して初めてわかることがたくさんある
子どもは子どものうちに大人の気持ちがわからない
子どもが親の気持ちに気づかないのはもどかしい
大人…
まだ自分は大人と呼ばれて違和感があるし、
立派な「大人」という枠には到底及ばないと思っているが、
一応どこでも大人料金になる
だから大人だ 大人になったんだ
大人になってからわかったことがたくさんある
なんで今頃わかったんだ
気づくのが遅くもう手遅れなことも多々ある
人間、人類はずっと生きてきた
ずっと前に猿が進化してそれからずっと人間は居た
どんどん成長しどんどん子孫が増えた
もう嫌になるほどわかったろう
大人になってからわかることがたくさんあると
少し疑問に感じた
何故こんなに人間は生きてきて
まだ子どもに大人の気持ちをわからせる手段がないのか
子どもも早いうちに親の気持ちがわかると気づいた時のダメージは減るだろうに
今気づいた
これはアレだ、ネタバレだ
大人の気持ちを教えることはネタをバラすことなんだ
わからないがゆえ、わかったときの感動が増す
いいんだ、教える手段なんかいらないんだ
みんな、楽しみにとっておくんだ
この気付きもまた、自らの成長なのかもしれない
成る程